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大腸カメラ・大腸内視鏡
身体に負担をかけない内視鏡検査
身体に負担をかけない内視鏡検査
当院で行っている大腸内視鏡検査は、腸に無理な力がかからない、身体に優しい検査です。従来の内視鏡検査との違いを分かりやすくお伝えするため、まず、従来の方法による問題点からご紹介していきます。
従来の大腸内視鏡検査による腸への負担
従来の検査で起こっていた痛みの原因
- 内視鏡挿入前に、腸へ空気を入れ過ぎて膨らませると、お腹がパンパンに張る不快感があります。
- その膨らみきった腸に内視鏡を挿入すると、遊びの部分がないので先端や湾曲部分が少し当たっただけで腸が引き延ばされてしまい、さらなる不快感や痛みなどが生じます。
従来の内視鏡検査には、腸が引き伸ばされる不快感があり、腸への負担がないとは言えないものでした。まず、腸に空気を入れることで腸全体が引き伸ばされ、お腹が張った不快な感覚があります。そこに、内視鏡を入れるのですが、すでに膨らんだ腸に内視鏡の先端や湾曲部がさらなる圧迫を加えることで腸を無理に引き延ばされる痛みがあったのです。また、膨らんで薄くなった腸にさらに力がかかるわけですから、お腹の手術を受けたことがあり癒着の可能性があるケースでは特に、安全性に全く問題がないとは言い切れない部分がありました。
そして、特に不快感や痛みが増して身体に負担をかけてしまうのは、S字結腸部分の扱いです。S字結腸は長いのですが固定されておらず、肛門近くにあります。そのため、空気を入れ過ぎるとすぐ先の部分を大きく引っ張ることになり、負担が大きくなってしまっていたのです。
負担を最大限減らし、安全性を高めた無送気直線的挿入法
大腸内視鏡検査の際には、腸を膨らませないと細かい部分を見落としてしまう可能性があります。しかし、内視鏡を挿入する前に空気を入れて膨らませておく必要はありません。
当院で採用している無送気直線的挿入法は、空気を入れる前に内視鏡を挿入します。空気が入っていない腸はしぼんで直線的になっています。しぼんだ腸のひだをやさしく手前に引き寄せながら内視鏡先端にかぶせていくような手法で入れていくため、腸が引き延ばされる感覚はほとんどありません。これで、苦痛なく、そ安全に内視鏡を奥まで進ませることができるのです。
現在行われている大腸内視鏡検査の手法の中で、無送気直線的挿入法は、最小限の苦痛と最高の安全性を兼ね備えたものです。
空気の代わりに炭酸ガスを使用することで不快感を大幅に軽減
大腸の奥まで内視鏡が到達したら、そこから観察がスタートします。当院では、ここではじめて腸を膨らませます。膨らませることで細かいヒダの中もしっかり観察することが可能です。ただし、当院では腸に長く残って不快感の大きい空気を使わず、炭酸ガス(二酸化炭素)を送気しています。腸壁からすみやかに吸収された炭酸ガスは、呼吸によってすぐに体外へと排出されます。お腹の張りがいつまでも残るのはつらい状態ですし、おならとして出すのにも抵抗がある方が多いと思いますが、炭酸ガスであれば検査終了直後には最後に送気したほんの少しの炭酸ガスが腸内に残る程度であることがほとんどです。
生体吸収に優れた炭酸ガスを使うことで、送気によるお腹の張りはすばやく解消し、不快感がなく、お身体に負担をかけないのです。
麻酔薬・鎮静剤の使用について
麻酔薬や鎮静剤は使わなくてよいのなら、使用しない方が望ましいとお考えの方も多いと思います。当院では、痛みがほとんどない大腸内視鏡検査を行っているため、基本的に麻酔薬や鎮静剤を使用しません。
そして麻酔薬や鎮痛薬を使わないことには、もうひとつ大きなメリットがあります。それは、安全性の問題です。とてもまれなことですが、検査中に腸を傷つける可能性がゼロではありませんので、麻酔薬や鎮静剤を使っていなければいち早く異変に気付くことができ、トラブルを大きくしてしまうリスクが軽減します。そのために当院では、検査中も患者さまとお話しながら検査を進め、患者さまが苦痛を感じていることがないか、状況を把握し、慎重に見極めながら検査を進めています。
検査をより楽に受けるために、検査食のこと
無送気直線的挿入法と炭酸ガス使用で大腸内視鏡検査自体がとても楽になりました。そして、より検査を楽に受けるために、どうしても不可欠なものがあります。それは、検査前に服用する下剤です。
下剤の服用が不十分で腸内になにか残っていると、小さな病変の見落としにつながるだけでなく、残った便が腸を膨らませてしまうため、空っぽの時には感じない痛みを感じることがあります。
ただし、下剤は通常、2リットル飲む必要があり、普段それほど水分を摂取する習慣がない方には大変な量だと思います。
大量の下剤を飲むのは難しいという方のために、当院では『低残渣食』という前日の検査食をご用意しています。便に残りにくい食事ですので、これを検査前日に食べることで、検査前の下剤2リットルを全て飲まなくても検査が可能になります。
従来の検査食はボリュームや味に問題がありましたが、当院で提供している検査食は一般的な食事メニューと変わらない内容で、ボリュームや味についても検査食としてはかなりのレベルを保っています。肉じゃがと鮭粥、クリームシチューかビーフシチューとクラッカーなどからお好きなものをお選びいただけます。
便秘の方は特に注意を、下剤のこと
大腸内視鏡検査を受ける際には、少なくとも検査数日前から毎日排便があることが条件になります。
検査前に飲む2リットルの下剤は、2~3日全く排便がない状況で服用するととても危険です。その場合は検査を中止し、便秘が解消してから改めて検査の日程を決めることになります。
2~3日分の便がたまった状態で下剤を服用すると、消化管の内圧が上昇し、最悪のケースでは消化管に穴が開いてしまう消化管穿孔が起こる可能性もゼロではありません。
普段から便秘することが多い方には、使い慣れているお薬を服用して解消していただくか、当院で数日前から服用する下剤を処方しています。
二酸化炭素送気装置
一部の専門病院でしか導入されていない二酸化炭素送気装置を使用します。
これは、空気の100倍近い速さで水分に吸収されるため検査終了後の腹部膨満感や不快感がかなり軽減されます。
二酸化炭素送気装置の効果
下の2枚のレントゲン写真はどちらも検査後の写真です。
通常の空気を入れて検査をした場合
これは通常の空気を入れた大腸検査直後のレントゲン写真です。
黒く見えるのは大腸そして小腸に入った空気です。
お腹が空気でふくらんで膨満状態がわかります。
大腸とその奥の小腸が黒くなっています。
これはすべて腸内の空気です。
二酸化炭素を入れて検査をした場合
これは二酸化炭素を入れた大腸検査直後のレントゲン写真です。
すでに大腸内の二酸化炭素はほぼ吸収され黒い部分がほとんどありません。
この違いが検査後のお腹の張った膨満状態の差を表します。
大腸内の二酸化炭素はほぼ吸収され、わずかに小腸内に黒く残っています。取した場合には、10日後くらいに結果を聞くために再度受診します。飲食は1時間後から、生検を受けた場合には2時間後から可能ですが、なるべく消化の良いものを摂ります。当日の飲酒や運動は控えましょう
大腸内視鏡前処置室
大腸内視鏡検査の前処置をくつろぎながら受けることができます。
料金
健康保険で3割負担の方の場合
初診料、内視鏡検査に必要な薬剤、血液検査として | 2,500円 ~ 4,000円 |
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内視鏡検査(検査のみ) | 約5,000円 |
内視鏡検査(細胞検査を行った場合) | 上記に加えて5,000円従いまして、 5,000円 ~ 12,000円となります。 ほとんどの方で15,000円程度となります。 大腸のポリープ切除を行った場合は、 25,000円 ~ 30,000円程度必要となりますので、 ポリープ切除の説明を受けられた方は検査当日にご用意下さい。 |
2割負担の方は上記の 2/3 、1割負担の方は 1/3 程度のご負担とお考え下さい